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329    COLUMN    PLAY IT LOUD

UNITED STATES OF AFRICA / LUCIANO
[VP/MAXIMUM SOUND/VPCD1876/輸入盤]
Lucianoのアルバムにハズレはない。ジャマイカの国宝と呼ぶに相応しいその歌声は作品ごとのブレも少なく、トラックさえ間違いなければ、確実に年間ベスト級の作品になるのである。本作のプロデューサーはイギリスのMaximum Sounds。良質なルーツものを数多く制作してきたこのチームの着実なサポートにより、Lucianoも素晴らしい歌声を披露。太く、瑞々しく、狂おしい。これぞレゲエ。(大石始)
 
MAMBO SKA / SKA CUBANO
[CASINOSOUNDS/CAS20102/輸入盤]
スカとラテンのミックスが更なる刺激を生みます。歌謡の世界はラテンと密接だったけど、スカも同じやな。必然の出会いですね。陽気なリズムと伸びやかな艶歌が活発に親交すると血が騒ぐ訳さ。名プレイヤー、Tantanもメンバーの一人です。大所帯ならではの楽器の掛け合い、せめぎ合いがキーポイント。力量がなきゃ輝きませんぜ。Ska Cubano健在を示す力作。これをきっかけにラテン・コーナーを覗くと楽しいよ。(磯野カツオ)
  
ARISE / FULLNESS MEETS IZYAH DAVIS
[HYTAL BOSRAH RECORDS/FULP001/輸入盤]
バーミンガムのハイタル・ボスラ・サウンド・システムに所属するI・デイヴィスの新作。今作はサウス・イングランドのルーツ・バンド、ダブ・ハートのドラマーを務めるフルネスがオケとプロデュースを担当。デジタル・ステッパー・オケで畳み掛ける様に歌う彼のスタイルも勿論魅力的だが、今作の様にじっくりと聴かせるタイプのオケで歌うのも彼の歌の上手さが伝わり好印象。才能と実力があればこそ、である。(楳原豊人)
 
PSALMS FROM THE HEART / SHANTI-ITES IN ONENESS WITH EMMANUEL JOSEPH
[FALASHA RECORDINGS/FRCD-002/輸入盤]
1枚岩のチームワークと独自の路線を貫く同レーベルからE・ジョゼフ初アルバムがリリース。UKモダン・ルーツにイメージされ易い派手なエフェクト等を抑え、ヴォーカルをより引き立てる1曲1曲丁寧に作り込また生音オケによる全14曲からなるショウ・ケース。打込みのデジタル音源は当然、バンドで演奏される音源にも同じ様に強く拘るブラッド・シャンティのルーツ・レゲエに対する情熱を感じさせてくれる極上盤。(楳原豊人)
 
HISTORICAL TRACKS (1978-1981) - THE FOUNDATION / MARTIN CAMPBELL
[LOG ON/LOGCD015 /輸入盤]
彼がロッカーズ・スタイルに拘る理由、それは経歴に因る所が大きい。2歳でジャマイカに移住、7歳でピアニストの才能を発揮し、アルファ・ボーイズ・スクールで2年間学んだ。68年にUKに移るが、70年代後半にスタジオを作り制作を開始するとチャンネル・ワンやキング・タビーズでの録音も始めている。今作はルーツ絶頂期に作られた彼の初期作16曲を収録。なぜ彼が大勢にリスペクトされているのか、聴けば納得。(楳原豊人)
  
ROCK STEADY HIT THE TOWN / V.A.
[KINGSTON SOUNDS/KSCD23/輸入盤]
Bunny Leeがプロデュースした楽曲を集めたコンピ盤。独特な空気を醸し出すロックステディが誕生してから40年以上経ちました。ソウル、ハーモニー、緩やかなテンポ、甘くて切ないムードにレゲエ・ファンは未だに魅了され続けています。魔法にかかってみませんか。何故かほっとする存在、落ち着ける場所がロックステディです。特にBunny Lee作品はときめきます。ちょうどいい温度であたたまれるCDでっせ。(磯野カツオ)
 
ラ・リチャーチ・ドゥ・ソン/ジム・マープル・メモリアル
スカ・イン・ザ・ワールド/SIWI 137/国内盤]
フランスを代表するスカ・バンドの新作。いくら時代が進化しても、ジム・マープルのスタンスは変わらない。こだわりのスカはワインのように熟成されています。聴くほどにうま味が増してくるのさ。カリプソ、R&B、ブルースなど愛着のある音楽が見え隠れする。ダンスという言葉が相応しい、カフェでも酒場でも今作を耳にすれば踊ってしまうだろう。アナログ趣向は不滅です。肌触りが最高なんだからね。(磯野カツオ)
  
ロング・タイム・トラヴェラー/ジェブ・ロイ・ニコルズ
[ビートインク/ON-U SOUND/BRC268/国内盤]
ワイオミング出身の彼は米国中部という土地柄、当然の様にジャズやカントリー、ソウルを聴いて育つ。NY、ロンドンと移り住む中でレゲエ、ダブに出会いエイドリアン・シャーウッドの影響で心酔して行く。その後、自らのルーツであるカントリーに回帰するが、それがレゲエと化学反応を生み、今作ではダブ・シンジケート&ルーツ・ラディックスのバックによりルーツとも融合する。彼の牧歌的なヴォーカルが印象的。(楳原豊人)
 
東京ラガ・ブレイズ・ベスト/スパイシー・チョコレート
[徳間ジャパン/TKCA-73542/国内盤]
東京の夜に重低音を提供し続けてきたSpicy Chocolateの看板コンピ・シリーズに初のベスト盤が登場。ハードコアな現場を知り尽くしたSpicyだからこその現場チューンからレゲエの裾野を広げようとする意気込みが漲るミディアムまで、隅から隅までこだわり抜かれた楽曲がズラリ。NG Head、若旦那、Say&桑野信義という異色の組み合わせによる「Catch Your Dream」など新録3曲にも注目だ。(大石始)
 
goyon/goyon
[RS64レコーズ/ RSSF-001/国内盤]
ギターのYoshiharaを中心に、フルートを含む編成からなるインスト・バンド。ロックステディ/ルーツ・ロックを基調に、ジャム・バンド的なセッション感覚で、多彩な音楽性を生音のバンド・サウンドに溶け込ませている。一聴、ゆったりほっこり。しかし、アトモスフィアに流されないこだわりと力強さ、個々のプレイの生々しさが随所に映える好盤。録音/ミックスはKon "MPC" Kenの拳Powaスタジオ。(宮内 健)
 
麻丸印/麻丸+蓬莱ROCKERS
[M.O.G.プロダクション/EKHS-001/国内盤]
あの振動弐百にギタリストとして活動していた麻丸が、ギターをマイクに持ち替えてから随分経つが、こうしてザクザクとした演奏が持ち味の蓬莱Rockersと出会い、自分のやりたかったものを出してきた。どの曲も彼が長年聞き続けてきたレゲエやジャマイカでの生活から得たであろうポジティヴな思考を、時にちょっとしたユーモアを交えて真っすぐにぶつけている。ラフではあるが、実に誠実な作品だ。(大場俊明)
 
Fadda-T's レゲエ・ゴット・ソウル/V.A.
[ユニバーサル/UICY-4545/国内盤]
沖縄のレゲエ・シーンを支え続けているKing Ryukyu SoundのTurnerことFadda-T。その彼が古くからジャマイカで親しまれ続けカヴァーされてもいる往年のR&Bの名曲をプレイする「Fadda-T's Super Soul Show」のオフィシャル盤がリリースされるのだが、本作はその鏡と言えるジャマイカ人によるR&Bカヴァー集。ジャマイカ人のソウル=肝とはこれなんだろうな、と再確認させてくれる名演/名唱ばかり。(大場俊明)
 
フレッシュ・トーン/ケリス
[ユニバーサル/UICS-1209/国内盤]
ウィル・アイ・アムが主宰するレーベルからのリリースとなった4年ぶりの新作。いつだってジャンルの壁など易々と飛び越えてきた彼女だが、本作がR&Bテイストは皆無のクラブ系なアプローチで統一された作りとなっていても、違和感など感じないどころか、何かスッキリとした納得性を発しているような。そういった意味では、新しみというよりは高い整合性を伴ったヴォーカル・エレクトロ集とすべきなのかも。(石澤伸行)
  
イッツ・パーソナル/アンジェラ・ジョンソン
[ウィズミック/VSCD-10001/国内盤]
前作での彼女は制作者としての立場に徹していたワケで、シンガーとしては5年ぶりの新作となる。温かみ溢れる幕開けに、懐かしい思いに駆られたと思いきや、その後のアグレッシブとも取れる流れにも、これまた彼女らしさを強く感じたりと、全編期待に違わぬ作りとなっている。エリック・ロバーソンを招いたネオ・ソウルな訴求も良いが、ブレイズの一員から力を得た生ハウサー振りには、心底熱くさせられる。(石澤伸行)
 
アイ・アム・レイザー/レイザー
[Pヴァイン/STBC-005/国内盤]
デフ・ジャムを離れ、インディから再出発しての新作。"ポスト・ニーヨ"としての位置付けは本作でも継続され、ミッドを中心としたトラックに、いかにも草食系なヴォーカルが乗る様は、前作で獲得したファンの期待にもきっちりと応えている。既聴感たっぷりなネタ使いも、更なる支持層の拡大を狙えば当然のことだろうが、時流をふまえた外観の奥まった部分からは、作り手としての主張も確かに伝わってくる。(石澤伸行)
 
トランスアトランティック・RPM/インコグニート
[Pヴァイン/PCD-24253/国内盤]
結成30周年を迎えたジャズ・ファンクのアイコンによる新作。のっけからチャカ・カーンらが前線に立ち「Low Down」をカヴァー、御大リオン・ウェアが駆けつけたかと思えば、盟友メイザ・リークも馴染みの胸キュン・ヴォイスで華を添えていたりと、ユニットの集大成としての仕上がりも文句なし。全体構成自体が彼らの歴史を辿るかのようで、メロウかつタイトなパフォーマンスが並ぶ様は、感動的ですらある。(石澤伸行)
  
ロックスター/タイオ・クルーズ
[ユニバーサル/UICI-9044/国内盤]
1年半ぶりとなるセカンド作。アッシャーやニーヨあたりを彷彿させる米国R&B路線の王道も含まれる本作だが、彼のアンテナは、欧州を発火点にいまや世界を席巻中のエレクトロ・サウンドに向かっているようだ。リュダクリスを迎えた先行シングル「Break Your Heart」や、ケシャの援護射撃を得たセカンド・カット「Dirty Pic-ture」等、四つ打ちビートが疾走していく様には、不覚にも圧倒されてしまう。(石澤伸行)
 
サムシング・ワンダフル/DJハセベ
[ワーナー/WPCL-10791/国内盤]
デビュー20周年を迎えた氏による、自作音源を中心としたミックス集。JuJuとリップ・スライムのメンバーが一堂に会した新曲でいきなり彼の力を見せつけられる一方で、「いとしさの中で」「今すぐ欲しい」といったJ-R&B黎明期のクラシックに加え、マイア、エイメリー、エイドリアナ・エヴァンスら海外アーティスト作品のリミックス仕事を、横串刺して一気に聴かせてしまう手管は、全くもって見事の一言。(石澤伸行)

 
CROOKS & LOVERS / MOUNT KIMBIE
[HOTFLUSH/HFCD004/輸入盤]
UKブライトン〜ロンドンの2人組による作品。所謂"ポスト・ダブステップ"の新鋭として大きな注目を集めているが、即興製を活かしたライヴ・パフォーマンスも含め、本人達はIDM〜エレクトロニカを吸収した"ダンス可能なアヴァン・ロック"としてサウンドを鳴らしているのだろう。この初アルバムでも、電気変調された様々な音色とブレイクビーツがロック、とくにシューゲイザー的な感触で有機的に揺らめく。(飯島直樹)
 
ONE FOR ALL WITHOUT HESITATION / NOBODY
[NOBODY'S HOME PRODUCTION/TR2000-CD/輸入盤]
LAの重要パーティLow End Theoryにも深く関わり、ブレイクビーツを使いつつサイケデリックでメランコリックなサウンドが人気のNobodyの新作が、自身のレーベルからリリース。Dam-Funkなエレクトロ・ビートや、ダブステップにも繋げそうなBPM70の曲など、彼の持ち味である独特のフォーキーでサイケデリックな世界を、ヴォコーダーを通した歌声とエレクトロなサウンドにタフなビート面も出しつつ彩った作品。(飯島直樹)
  
SPLAZSH / ACTRESS
[HONEST JONS/HJCD049/輸入盤]
世界各地の民俗音楽からストリート・サウンド、更には電子音楽まで嗜好を飛び越え響く音楽を一味違うセンスで届けてくれるHonest Jonsから、自ら主宰のWerk Discからのリリースも人気のActressが登場。時にレトロな風合いも見せながら、深いところから浅いところ、高いところから低いところ、様々な景色をそのビートとサウンドから覗かせてくれる、テクノとビートダウンの質感/温度が絶妙に混ざり合った全14曲。(飯島直樹)
 
THE IMAGINARY BAND / DUTCH RHYTHM COMBO
[HIGHSCORE/HSCORE009-CD/輸入盤]
欧州ならではのセンスで中南米ベース・サウンド送り出すMan Re-cordings主宰のDaniel兄弟でありプロダクション・パートナー、Felix Haaksmanによるプロジェクトの初アルバム。オーガニックでメロウな雰囲気のブレイクビーツを基盤に、ディスコ風味もあるソウルやファンクから、ジプシーのテイストまで溶け込ませたサウンド。Joe DukieやEdu Kなど個性派シンガーの起用が作品の幅を広げ、"良趣味"で終らせない。(飯島直樹)
 
DARK MATTER: MULTIVERSE 2004-2009 - / V.A.
[MULTIVERSE/TMCMVCD50001/輸入盤]
それぞれミュージシャンや映像作家でもあるアーティスト3人が設立したブリストルの音楽出版社の5周年を記念したコンピ。Tectonic、Caravan、Build、Earwax、Kapsizeなどの傘下7レーベルの初CD化となる楽曲も多く収録した2枚組CD。ダブステップにミニマル〜クリック、エレクトロなど、ジャンルにとらわれずに結びつく彼らの姿勢を感じることができる内容で、改めてブリストルという小さな街の豊かさを感じる。(飯島直樹)
 
ハイパーダブ vs 3024 - エクスクルーシヴ・ミックス・フォー・ジャパン/コード9&マーティン
[ビート/BRC-272/国内盤]
7月末に揃って来日する2人の先進的ダブステッパーによる、各人が主宰するレーベルの音源を中心にDJミックスした、日本企画のアルバムが緊急リリース。BPM140というテンポを軸にしたエレクトリックなベース・ミュージックの中に、ハウス〜ロック〜ソウル〜レゲエ〜アフロといった空気を、聴く側の経験値によって様々に浮かび上がらせるという、ダブステップ本来が持つ魅力を十二分に伝えてくれる見事な内容。(飯島直樹)

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